子どもが大学に通い始めることは、当初の我が家のニュージーランド移住計画には入っていませんでした。というよりも、そこまで考える余裕がありませんでした。
そしてその計画からの「抜け」が、1万ドル以上の余計な出費の一因になってしまいました。
この記事では、我が家の失敗を踏まえて、数年後に大学生になる年齢の子どもを連れて移住を目指す家庭が、移住計画を立てる際に考慮したほうがいいことを紹介します。
高校までの公立校は無料なことも
外国人がニュージーランドで学校に通うにはいくらかかるのか。
子連れでニュージーランド移住を考える際に、子どもの学費は資金面の大きな問題の一つなので、多くの家庭で考慮するポイントになるでしょう。
まず、ニュージーランドの学校制度は、日本のそれとは違いがありますが、ザックリ言うと以下のとおりです。
- Primary School(Intermediate School 含む) 小中学校に相当
- Secondary School 高校
- Tertiary School 大学、専門学校以上
公立の Secondary School までは、永住権がない外国人でも、親がワークビザを持っていれば(諸条件あり)、現地生と同じように無料で通えます。反面、学生ビザでの留学生だと年間1万-1.5万ドルの学費がかかります。
我が家も移住を考えるにあたってそのことは気にしていました。なにせ3人子どもがいますから。
当時の年齢だと、上から日本で言うところの中2、小6、小1。3-4年で永住権を手に入れる想定だったので、学費を検討する対象の学校は、小学校から高校(Primary から Secondary)まででした。
つまり大学のことは、私も妻も全く考慮していませんでいた。しかし、これが後に面倒な問題になりました。
親のワークビザでも大学は留学生扱い
上で述べているとおり、永住権がなくても高校までは現地生と同じように学生生活を送れます。費用面では。
では、大学はどうなのか?
結論から言うと、大学は、学生本人が永住権を持っていないと留学生扱いです。学費は年間3万ドル以上。現地生なら無料から数千ドルです。


私の専門学校が半分くらい終わったあたり、一年半くらいを残したころ、一番上の長女が大学進学を考える年齢になってふと気がつきました。
つまり我が家の場合だと、長女が永住権を持っていないと留学生、年間3万ドル超え!でした。
最短の永住権取得はいつか
では現地生として大学に通うための永住権取得のデッドラインはいつなのか?
聞いたところによると、学生ビザの都合があるので、大学が始まる年の1月までの永住権取得が一つの目安でした。
そこで、長女が現地生として大学に通うためのスケジュールを以下のように考えました。
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2017.12私、専門学校卒業卒業前から仕事探しを始める
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2018.2就職
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2018.3永住権申請審査期間は10ヶ月あれば足りるだろう… ※
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2019.1ここまでに永住権取得
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2019.3長女、大学の授業開始
重要なのは「どれだけ早く仕事が見つかるか」。それが、学費年間3万ドル超えか数千ドルかの分岐点でした。
最終的には間に合わず
結果的には、私たちの永住権取得は2019年4月だったので、大学が始まるまでには間に合いませんでした。
実際の流れは2019年永住権取得 5年間の軌跡 タイムラインをどうぞ

2018年7月に永住権を申請し、2019年1月ころの時点で、間に合いそうにないことは見えていました。そこで、在学中に永住権が取れれば現地生扱いになり、学費が戻ってくることを確認した上で、いったんは留学生料金を払い学生ビザで大学に通う手続きをしました。
学費を抑えるために、大学に通うのを1年遅らせる方法もありました。しかし、将来やりたいことや大学で勉強したいことがはっきりしていて、それに向かって努力をしていた彼女にとっては、その選択は酷でした。永住権は親しだい。彼女のがんばりで永住権がどうこうなるものでもありませんでしたし。
余計な出費でしたが、早く好きなことを勉強できて、その分社会に出られる。そう考えれば納得のいく選択でした。
5年後はどこで何をしているのか
では、移住プランを考えるにあたって何年先のことまで考える必要があるのか。
答えは、「家庭によってさまざま」です。
なぜなら、家庭によって永住権を手にするまでの方法や時間はまちまちだからです。英語の勉強から始めなければならない人。学位を取得するために大学や専門学校に通う人。それらをすっ飛ばして仕事探しからスタートできる人など。
我が家は約5年かかりましたが、数週間違いでニュージーランド暮らしを始めたにもかかわらず、2-3年早く永住権を手に入れた家庭もあります。
もっと早くゴールにたどり着く人もいれば、その逆もしかり。
私の場合、当初の学生生活は1年を想定していましたが、結果的には3年になりました。しかしその変更が子どもの大学入学に与える影響までは、私も妻も気がつきませんでした。
大学が、高校までと同じように親のワークビザで無料で通えるのかどうかも知りませんでした。
想定しうるできるだけ先のことを考慮するに越したことはありません。不透明なことは、頭の片隅に置いておくだけでもいいでしょう。計画を変更する際には、どんな影響があるのかもしっかりと考える必要があります。